神田の話題といっても、もう3か月も前の話だけれど。
第二エステビルの名店「アリエール」が、ひっそりと閉店した。
もちろん、「第二エステビル」というのは、正式名称ではなく、通称だ。
神田で「(元祖)エステビル」、と言えば、「クレセント神田」。
これは、地下鉄銀座線のA5出口すぐそばにあり、ビルの2階から9階のほとんどがエステ店だ。(※1)
一方、「アリエール」が入っていた通称「第二エステビル」は、東口を出て中央通りをわたり、ファミマとみずほ銀行の間の路地を入って徒歩1分、左側にある「神田大野ビル」のことを指すらしい。
こちらも現在は、2階から5階がエステ店となっている。(※2)
このビルが「第二エステビル」となるきっかけを作ったのが他ならぬ「アリエール」だった。
同店の開店は、今からちょうど3年前の2010年の9月だ。
もともと別の店があったのだが、居ぬきでオーナーチェンジし、開店した。
ところで、この「アリエール」だが、店長をやっていたY嬢は、今から6年前に、上野の「嵐」という激安店に所属していた、いわゆる「6人の侍」の一人だった。
上野の嵐には、2007年の秋ごろ、個性的な6人の若いエステ嬢がおり、彼女たちが低料金でちょっと怪しいことをしたものだから、「嵐」は掲示板(満蘭)で大ブレーク。
当時の激安店ファンはこぞって嵐を訪れたものだった。
ね、マッサ好助さん。
その6人のうちの1人、Y嬢が「アリエール」の店長をやっていたものだから・・・。
嵐の6人の侍のうちの3人が「アリエール」に集結する、という極めて懐かしい現象が起こったのだった。
「アリエール」が開店してしばらくの間は、このビルのエステ店は「アリエール」1店だけだった。
なので、3年前当時は、もちろん「第二エステビル」などとの名称で呼ばれることもなかったのだが。
ほどなくして、4階に「KND学園」がオープンした。
じつは、この「KND学園(後のサボテン)」は、3階の「アリエール」と同一経営だった。
開店のいきさつは、「アリエール」のオーナーが、ビルの4階が空き家になったことを察知し、そこに他のエステ店が進出してくるのを恐れて、自ら部屋を借りて開店した店だった。
同じビルに他のエステ店が入ることによる客数減が嫌で、誰かが借りるなら、その前に自分で借りてしまえ、ということだが。なんとまあ、大胆というか、おおざっぱというか。
将棋で言う、敵の打ちたいところに打て、という格言を地で行った戦略だった。
しかし、オーナーの願いむなしく、その後、2階と5階にもエステ店がオープン。
さすがに、2階から5階まですべての部屋を借り切って営業する力は、アリエールのオーナーにもなく、神田大野ビルへの他のエステ店進出をくい止めることはできなかった。
しかし、おそらく、ビルに4つのエステ店が入ったことで、客足は逆に伸びただろうと推定されている。
そして、1つのビルにエステ店が4店となり、神田大野ビルが第二エステビルと呼ばれるようになった。
Y嬢の店舗経営は堅実で良心的。日本人客の気持ちをよくつかんでいた。
そのため、「アリエール」、「サボテン(KND学園)」は、ともに神田の他の店とは一味違う名店と言えた。
しかし、この6月に両店とも身売りしてオーナーチェンジ。
「アリエール」は、現在、「愛来夢(アイカム)」と店名を変えて営業している。
また、4階は、店名は「サボテン」のまま営業中だが、現在は、3階と4階は、別経営だ。
(了)
※1 神田のエステビル:現在は、アロマリファイン(2階)、ViViAn-ヴィヴィアン(3階)、Beauty Heart(5階)、花蕾(7階)、ほっこりスイートルーム(9階)などが入店。
※2 第二エステビル:ホットガール(2階)、愛来夢(3階)、サボテン(4階)、フワフワ(5階)