神田スタンダードの店が、店舗型の表向き健全店からデリバリー式の風ZOK店に転向したケースが過去いくつかあった。
俺の知っている限り、以下の4店だ。
①夢幻(完全閉店)
②アロマグランデ(閉店)
③パイレーツオブアロマ
④順風
ところで、神田stdの店が風ZOK店に転向すると何が変わるのか。
1、まず、料金および提供するサービス(我々が受けるサービス)の内容は基本的にほとんど変わらない。
神田stdというのは、もともとがほぼ100%手のサービスを期待できる実質風ZOKなので、風ZOK店に転向しても、まずはほぼ同じ料金で同じサービスを提供する。なので、我々にとっても、女の子にとっても、何も変わらない。
中には、せっかく風ZOK店になったのだからと、女の子が脱ぐコース(当然、神田stdよりも割高の料金設定)を新設する店もあったが、あまり成功してないようで、すぐにとりやめになっている。
2.デリバリーなので、店舗を持たず、原則ホテルやレンタルルームに出張する。
これは、デリバリーなのだから当然なのだが、ここにちょっと問題がある。これについては、後述する。
3.店舗型でないので、当然看板は出せない。
看板を出せないとお店は困るかどうかというと、いまどき、神田の店で、看板を見て店に来る客はほとんどいない。
大部分の客はネット情報を見てくる客だ。
とくに、店舗型の神田std店として、ある程度の実績を上げた店ならば、ネットだけで十分集客できるはずだから、看板など不要であろう。
であれば、看板を出せないことは、店にとってはあまり問題にならない。(と想像する)
というわけで、風ZOK店に転向しても何も問題なさそうだ、となるのだが。
実はひとつだけおかしなことがある。
今も営業している③パイレーツオブアロマと④順風にご迷惑がかかるといけないので、以下は、すでに閉店した①夢幻と②アロマグランデの2店に限ったお話をしたい。
この2店、①夢幻と②アロマグランデは、デリバリー店に転向したあとも、営業はレンタルルームを使わずに、もともと自店で持っていた店舗(箱)で営業を続けていたのだ。
要は、看板を出していた表向き健全店の箱店が、そのまま自分の箱(店舗)を利用し、看板は出さない代わりに、風ZOK店となった、ということ。
で、ここで何が問題かというと、現在、都内では、店舗型の風ZOK店は認可されない。
「看板を出していないから店舗型でない」と言い張ることもできるかもしれないが、基本は、ホテル等に出張するデリバリータイプの店だけが認可される。自分の店(箱)を使っての営業では、これに該当しない恐れがある。
では、夢幻とアロマグランデはどうしたか。
夢幻のとった方法は単純だ。
自分の店(箱)を、「レンタルルームだ」ということにした。
そして、お客は、そのレンタルルームに入り、女の子があとからそのルームを訪問する、ということにしたわけだ。
もちろん建前だ。
建前だけれど、(記憶によれば)客はまず、店の入り口でレンタルルーム代2000円を払い、中に入って女の子に6000円を払う。(60分コースの場合)
これで、合計8000円となる。
そういう仕組みにしていたはずだ。めんどうくさいが。
こんな方法で規定を逃れられるのか?というと、おおいに疑問だ。
なぜなら、デリバリー店の場合、店は客に出張先のホテルを指定することはできない。
客にお勧めのホテルを紹介することは可能だが、原則、指定してはいけないのだ。
出張先は、客が自由に選べなければならない。
自店の箱を利用していたら、この規定に抵触する恐れがある。
かなりグレーな営業方法だ。
少なくとも、箱(レンタルルーム)と店(デリバリー)はまったく別の経営だと言えないと、違法性が高いように思える。
一方のアロマグランデはどうしたかというと、
「自分の店は、ネットルーム(ネットカフェ)だ。」という建前にした。
そして、お客は、そのネットルームに女の子を呼ぶという形式にしたのだ。
なので、風ZOK店化した直後のアロマグランデは、店の前の路上に、「ネットルーム」の看板を出していた。
中国語なのでよくわからない看板だったが、一応そういう看板があった。
さらに、お店にはノートパソコンを数台用意した。待合室のテーブルの上に、ノートパソコンがうず高く積まれていたものだ。
ネットルームなので、お客がパソコンを要求したら貸し出せるようにしたわけだ。
そういう方法で、逃れようとしたのだが。
これもかなりグレーな方法であるに違いない。
面白いことに、当時のアロマグランデの店長は、「夢幻のやり方は違法だ。」と言っていたし、
夢幻の店長は、「アロマグランデのやり方は違法だ。」と言っていた。両者が互いに相手の方法を批判していたものだ。
俺は、両方の店長から、そういう話をじかに聞いた。
さらにアロマグランデに至っては、もうひとつ細工をした。
「アロマグランデ」という名前で風ZOK店として営業する一方で、同時に同じ箱、同じ嬢で、神田stdの別の店として営業を開始したのだ。
1年くらい前にあった、「爽」という店がそれに該当する。
その時点では、普通に店の前の路上に、「爽」の看板を出していた。
なので、この時期、アロマグランデのある店(箱)は、
「アロマグランデ」という名前のデリバリーの風ZOK店であり、なおかつ、「爽」という名前の健全箱店という、2つの顔を持っていた。
アロマグランデがこのような仕組みにしたのは、違法性から逃れるためではない。
むしろ、こうすることで違法性は高くなったはずだが。
おそらく、ネットだけがたよりのデリバリー店では、十分に集客できなかったのだろう。
それで、2つの顔で集客しようとしたわけだ。
上のほうに、俺は、「看板を出せないことは、店にとってはあまり問題にならない。」とは書いたものの、この時期のアロマグランデは、必ずしもそうでなかったのかもしれない。
当然ながら、この営業方式はかなり無理がある。
風ZOK店と健全店を同じ場所、同じ嬢で行う上、風ZOK店もデリバリーではなく、同じ箱を使って営業しているのだから、ある意味無茶苦茶だ。
もちろん、同一店が、風ZOK店と健全店を同じ嬢で営業するだけなら、他にもいくらでも例がある。
つまり、ひとつの店が、A店という健全店(看板のある箱店)と、B店と言う風ZOK店(デリバリー)の両方の顔で営業いしてるという例は、いくらでもある。
ただし、その場合、B店での営業は、自分の箱を使わずに、周辺のホテルに出張する。そういう方式だ。
同じ店の同じ嬢が、A店で予約された場合は、自店の箱で健全な施術をし、B店で予約されたら、周辺のホテルで風ZOK施術を行うのだ。
これなら、(おそらく)違法ではない。
しかし、「アロマグランデ」は、そのような使い分けはしていなかったので、かなりグレーな営業方法だった。
せっかく風ZOK店化したのに、いつ摘発があってもおかしくない状況だった。
ある日、俺が店に行って、店を出るときに、店長から、「今、内偵されているかもしれないので、店の外で誰かに質問されたら、『2階の歯医者に行っていた』と答えてほしい。」と要請されたりもした。グレーな営業であることは、店も自覚していたようだ。
というような2店がどうなったかというと。
結局、夢幻は、当局の摘発の前に、別の理由で廃業した。
また、アロマグランデは、経緯はよく知らないが、風ZOK店としての営業をやめて、元の神田std店に戻った。(経営者が同じかどうかは不明)
そんな中、③パイレーツオブアロマと④順風は、今後どのような展開を図っていくのだろうか。
(了)